職場イジメから身を守る！5つの対抗策とハラスメント知識を徹底解説！

職場でのイジメにどう対応すればよいかわからず、苦しんでいませんか？

「イジメのような扱いを受けているけど、これはイジメなの？」と判断に悩むこともあるでしょう。

この記事では、職場イジメの典型的なパターンや対抗策を徹底解説します。

ハラスメントとの関係性や外部相談先の紹介など、あなたが職場イジメから解放される一助となるので、ぜひ参考にしてみてください。

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職場イジメの相談件数は「12年連続最多」

そもそも、職場でのイジメやハラスメントは深刻な社会問題となっています。

令和5年度には全体の約19.1%、約6万件にものぼりました。この数字からも、職場イジメが決して特殊な問題ではないことがわかります。（参考：「令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します｜厚生労働省）

働く人の誰もが被害者になる可能性があるので、対抗策を知っておくことが大切です。

職場イジメの典型的パターン5つ

職場イジメには、5つの典型的パターンがあります。

あなたが受けている理不尽な扱いが職場イジメに該当しないか、それぞれ確認してみてください。

暴力・暴言・嫌がらせ

職場イジメの中で最も典型的なものは、暴力や暴言、嫌がらせです。

殴る、蹴るなどの身体的暴力はもちろん、大声で怒鳴る、人格を否定する発言、侮辱的な言葉を浴びせるなどの言葉の暴力も含まれます。

暴力はもちろんのこと、暴言や嫌がらせも、度が過ぎれば侮辱罪や脅迫罪に問われる可能性があります。

無視・陰口・仲間はずれ

陰湿な職場イジメの代表例が、無視や陰口、仲間はずれです。

また、悪口を言いふらす、根拠のない噂を流す、グループ内で孤立させるといった行為も含まれます。これらは表面的にはわかりにくいため、周囲も気づきにくい傾向があります。

仕事の要求が過大または過少

職場イジメの手段として、仕事の量や質を極端に増減することがあります。

どちらも被害者のモチベーションを下げ、自信を失わせる危険性があります。適切な業務配分がされない場合は、職場イジメかもしれません。

ミスを執拗に叱責し反省を強制する

ミスへの対応が行き過ぎると、イジメになることがあります。

また、必要以上に長時間説教する、反省文の提出をしつこく求める、土下座を強要するといった行為も含まれます。

特に上司が部下に対し反省文の提出を執拗に迫った事例では、指導監督の範囲を逸脱するとして損害賠償の支払いが命じられています。（参考：職場のパワーハラスメント対策等について｜青森労働局）

休みやプライベートへの干渉

個人の私生活に過度に介入するのも、職場イジメの一種です。

休暇を取らせない、病気でも出勤を強要する、恋愛や結婚に関して干渉するなどが該当します。

昨今は特にワークライフバランスが重視されるので、プライベートな時間や個人の生活への不必要な干渉は、職場イジメとみなされやすいです。

できれば距離を置きたい…「職場イジメをする人」の特徴とは？

次に、職場イジメをする人の特徴についても解説します。

上記に当てはまる人とはなるべく距離を置きましょう。もし関わらざるを得ない場合は、慎重に接して衝突を避けたいところです。

他人の気持ちを推し量ることができない

職場イジメをする人の特徴の1つに、共感性の欠如があります。自分の感情や欲求ばかりを優先し、他人の立場に立って考えることが苦手です。

自分の言動が相手を傷つけていると気づきにくく、イジメだと認識できません。また、相手の表情や態度の変化にも鈍感で、イジメが悪質化しやすい傾向があります。

このような人とは適度な距離を保ち、必要以上に関わらないことが大切です。

嫉妬心が人一倍強い

嫉妬心の強さも、職場イジメをする人の特徴です。他人の成功や評価を素直に喜べず、自分と比較して劣等感を抱きます。

相手の足を引っ張ったり、評価を下げようとするのは嫉妬心によるものです。また、相手の欠点を探し、それを吹聴することもあります。

このような人物の近くにいると、常に気を張って疲れてしまうので、できるだけ関わりを減らすのが賢明です。

自分の立ち位置を守ることに必死になっている

職場での地位や権力を過度に意識する人も、イジメをしやすい傾向があります。

特に、上司や先輩の立場にある人が、その優位性を保つことに執着すると問題が起きやすくなります。

不安のあまり、若手の意見を無視したり、成果を横取りするといった行動につながります。

このタイプの人には、適度な敬意を示しつつも、過度にへりくだらないバランスが重要です。

間違った正義感を持ってしまっている

一見まじめで熱心に見える人が、実はイジメの加害者になっていることもあります。

例えば、仕事の効率や成果だけを重視し、個人の事情や感情を無視してしまう場合です。また、自分の価値観を絶対視していて、それに合わない人を批判したり遠ざけることもあります。

このような人との付き合い方は難しいですが、相手の考えを全面的に否定せず、正面からぶつからないことが大切です。

職場イジメから身を守るための対抗策5つ

すでに職場イジメを受けてしまっている場合は、以下の対抗策を参考に対応してください。

「被害者である自分が、なぜ苦労して対応しなければならないのか」と悩むかもしれませんが、その気持ちは全く間違っていません。しかし、現にイジメの被害を受けてしまっている以上、早めの対応が肝要です。

無理に耐えている間にイジメがエスカレートする危険性もあるため、気力をふり絞って行動してみましょう。

証拠を残して上司へ相談する

まず証拠を集めることから始めましょう。

スマートフォンのメモ機能やボイスレコーダーも活用できます。これらの情報は、後々の相談や対応の際に重要です。

証拠が揃ったら、信頼できる上司に相談するとよいでしょう。上司に相談する際は、感情的にならず、事実を客観的に伝えるのがポイントです。

自分の希望する解決策も提案すると、より具体的な対応につながりやすくなります。上司が適切に対応してくれない場合は、さらに上の立場の人や人事部門に相談することも検討しましょう。

社内に相談窓口があれば活用する

企業によっては、ハラスメントや職場トラブルに関する社内相談窓口を設置しています。

利用する際は、事前に相談内容をまとめ、証拠や記録を用意しておくと、よりスムーズで正確な対応につながります。

相談窓口では、問題解決のための具体的なアドバイスや、会社としての対応策を提案してくれることもあります。一人で抱え込まずに、積極的な活用をおすすめします。

外部の相談先を利用する

社内での解決が難しい場合や、より客観的な意見を求めたい場合は、外部の相談窓口を利用するのも1つの手段です。

これらの機関では、労働問題の専門家が無料または低料金で相談に応じてくれます。

なお、外部機関への相談により、会社から不利益な扱いを受けることは法律で禁止されているので、安心してください。

可能なら加害者にイジメを辞めるよう直接伝える

状況によっては、加害者に直接イジメをやめるよう伝えることも効果的です。

感情的にならず、毅然とした態度で自分の気持ちを伝えましょう。

また、この会話の内容も記録に残しておくことが大切です。直接伝えても改善が見られない場合は、他の対処法を検討する必要があります。

ただし、この方法は状況悪化のリスクがあるので、加害者と冷静に話せる関係性があり、危険性が低いと判断できる場合のみ実行しましょう。

どうしても解決しないときは退職を検討する

どうしても状況が改善されない場合、最後の手段として退職の検討もありえます。

退職を決意したら、次の職場を見つけてから辞めるのが理想的です。しかし心身に限界を感じる場合は、すぐに辞めることも選択肢の1つです。

また、退職後も外部機関への相談や、訴訟など法的手段を取ることはできます。イジメの加害者や会社に一矢報いたい場合には、専門家に相談するとよいでしょう。

職場イジメは「ハラスメント」になる？

昨今のニュースや新聞では、「ハラスメント」が取り上げられることが多くなりました。

ここでは、職場イジメとハラスメントの関係性について解説します。

職場イジメは何らかのハラスメントに該当しやすい

職場イジメは、多くの場合ハラスメントの一種に該当します。

イジメで行われる行為が、法律上はハラスメントとして扱われることは、被害を受けた際の対応や相談先を考える上で重要です。

典型的なハラスメントは「パワハラ」

職場イジメの中でも、最も一般的なのがパワーハラスメント（パワハラ）です。

上司から部下へのパワハラのほか、先輩・後輩間や同僚間でも起こり得ます。

性的なイジメは「セクハラ」になりうる

職場イジメの中に性的な要素が含まれる場合、セクシュアルハラスメント（セクハラ）に該当します。

具体的には、性的な冗談やからかい、不必要な身体接触、性的な噂を流すなどがあります。

ハラスメント防止は会社の義務

2020年6月から、職場におけるパワハラ防止対策が事業主の義務となりました（中小企業は2022年4月から）。

この法改正により、企業はハラスメント防止のための方針を明確化し、従業員に周知・啓発する必要があります。

また、相談窓口の設置や、問題が発生した際の迅速かつ適切な対応も求められています。

この法改正は、職場イジメの防止に大きな役割を果たすと期待されています。従業員それぞれも、ハラスメントに関する正しい知識を持ち、お互いを尊重し合う姿勢が大切です。

職場イジメの加害者を訴えて責任追及することはできる？

職場イジメの加害者を訴えて責任を追及することは可能です。ただし、法的手段を取る前に、まずは社内での解決を試みることが一般的です。

法的手段としては、民事訴訟を起こすことが考えられます。

特に職場イジメの末に会社を解雇されたときは、「解雇手続きの無効」や「従業員としての地位がまだ存在していること」を争える場合があります。

しかし、精神的損害に対する損害賠償のみの場合、勝訴したときに得られる賠償額は数十万円程度におさまってしまう事例もあります。

訴訟費用や弁護士費用、訴訟に伴う労力に見合わない可能性が高いため、よほどのイジメでなければ非現実的かもしれません。

もし「自分を変えたい」と感じたら意識すべきこと5選

職場イジメは加害者に全責任があるのであって、被害者が自身について反省する必要は一切ありません。

しかし人によっては、「自分はイジメを受けやすい性格なのではないか」「自分自身を変えることでイジメを防止したい」と考える場合もあるでしょう。

そこで、自分を変えるためのポイントとして以下を紹介します。

イジメの防止だけでなく、仕事や人生に対し前向きになれる行動が多いので、参考にしてみてください。

自信を持って堂々と振る舞う

自信を持って行動することは、職場イジメを防ぐ上で重要です。自信がないと周囲に弱さを感じさせ、イジメのターゲットになりやすくなります。

毎日鏡の前で明るい表情をつくる練習をすれば、段々と自己肯定感が高まっていきます。また、姿勢を正し、相手の目を見て話すなど、外見的にも自信がある様子を演出することが大切です。

意見を求められたら、はっきりと自分の考えを伝える習慣をつけましょう。堂々とした態度は、周囲からの信頼や尊敬にもつながります。

自分から挨拶をしてコミュニケーションを図る

積極的なコミュニケーションは、良好な人間関係を築く基礎となります。まずは、毎日の挨拶から始めましょう。

明るく元気な「おはようございます」や「お疲れ様です」は、職場の雰囲気を和やかにします。「毎日3人以上に自分から挨拶をする」など目標を立て、実践しましょう。また、休憩時間や昼食時に同僚と会話を交わすのもよい習慣です。

コミュニケーションを増やすことで、味方や理解者が増え、イジメを受けにくい環境を作ることができます。

同じミスを繰り返さない工夫をする

ミスを減らす努力は、職場での評価を上げるだけでなく、イジメの口実を与えないためにも重要です。

まず、自分のよくあるミスのパターンを把握し、それを防ぐためのチェックリストや手順書を作成します。複雑な作業は手順を細分化し、1つずつ確認しながら進めるのが有効です。

ミスをしてしまった場合は、素直に謝罪し、再発防止策を考えて上司や同僚に提案しましょう。

こうした前向きな態度は、周囲からの信頼につながります。ミスを恐れず、改善に向けて行動する姿勢が大切です。

周囲の意見を一度は素直に受け入れる

他人の意見やアドバイスを素直に聞く姿勢は、良好な人間関係を築くために重要です。たとえ自分と異なる意見でも、すぐに反論せず、相手の立場に立って考えてみます。

指摘を受けた際は、まず謝罪や感謝の言葉を述べ、改善に向けて具体的な行動を示します。

ただし、相手が攻撃的な態度だったり、明らかに不当な要求をしてきたら、毅然と対応することも必要です。相手の意見を受け入れつつ、自分の考えも適切に主張できる柔軟さを身につけましょう。

「遅刻・欠勤をしない」など社会ルールを守る

基本的な社会ルールを守ることは、職場での信頼を得る上で欠かせません。

特に、時間を守ることは重要です。遅刻や欠勤が多いと、周囲に迷惑をかけるだけでなく、イジメのきっかけにもなりかねません。

また、服装や身だしなみにも気を配り、清潔感を保つよう心がけましょう。

職場のルールやマナーを守り、協調性のある行動を取ることで、周囲からの印象がよくなります。

職場イジメが解決しないときに利用できる相談先

職場イジメが解決しない場合には、気軽かつ低料金で利用しやすい相談先を頼るとよいでしょう。

公的機関が提供する相談窓口から、弁護士や企業のサービスまで幅が広いので、それぞれ解説していきます。

総合労働相談コーナー

総合労働相談コーナーは、厚生労働省が全国の労働局や労働基準監督署に設置している無料の相談窓口です。労働問題の専門家が対応し、職場イジメやハラスメントに関する相談にも乗ってくれます。

女性相談員が配置されていることもあり、各コーナーの所在や詳細は厚生労働省のホームページから確認できます。（参考：総合労働相談コーナーのご案内｜厚生労働省）

必要に応じて、労働基準監督署や公共職業安定所（ハローワーク）など、適切な機関を紹介してくれることもあります。利用する際は、事前に相談内容をまとめ、関連する資料があれば用意しておくとよいでしょう。

ハラスメント悩み相談室

厚生労働省が運営する「ハラスメント悩み相談室」も、職場イジメの相談に役立つ窓口です。

メールやLINEで相談可能で、職場におけるハラスメント全般について、主に文章での返信でアドバイスを得られます。

真夜中にふと相談したくなったときでも、ひとまずメールだけ送っておけるので利用しやすいです。電話相談は受け付けていないので、話したい場合は別の手段を検討しましょう。

みんなの人権110番・インターネット人権相談

法務省が設置している「みんなの人権110番」も、職場イジメの相談先として有効です。

電話での相談は平日の日中に受け付けています。また、「インターネット人権相談」では、ウェブサイト上で24時間365日相談を受け付けています。（参考：人権相談｜法務省）

匿名での相談も可能で、人権擁護委員や法務局職員が対応し、問題解決のためのアドバイスを行います。人権侵害の観点から職場イジメを考えたい場合に適しています。

法テラス・弁護士

法的な視点から職場イジメの問題に対応したい場合、法テラスや弁護士への相談が有効です。

法テラスでは、法律相談や弁護士などの紹介を行っています。収入等が一定基準以下の場合、無料で法律相談を受けられ、法的手続きに進む場合は費用の立替制度もあります。（参考：法テラス｜日本司法支援センター）

また、弁護士に直接相談する場合、多くの弁護士会で初回無料または低額の法律相談が可能です。

専門家の助言は、問題解決への大きな一歩となるでしょう。

退職代行サービス

職場イジメが原因で退職を考えている場合、退職代行サービスの利用も選択肢の1つです。このサービスは、利用者に代わって会社側と退職の手続きを行います。

イジメやハラスメントの被害者にとって、加害者や上司と直接対面するのは精神的な負担が大きいものです。退職代行サービスを使えば、その負担を軽減できます。

また、労働問題に詳しい専門家が代行するため、適切な条件での退職が期待できます。

退職後の次の職場探しまでサポートしてくれるサービスもあります。状況に応じて、自分に合ったサービスを選びましょう。

まとめ

職場イジメは深刻な問題ですが、適切な対応により解決の糸口を見つけることができます。

まずは証拠を残し、信頼できる上司や相談窓口に相談するのが大切です。

社内での解決が難しい場合は、外部の相談機関や法的手段も選択肢となります。また、被害者を守る法律も整備されつつあり、企業にはハラスメント防止の義務が課せられています。

あなたの尊厳と職場環境を守るため、この記事も参考にしながら、ぜひ行動してみてください。

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編集部

この記事はツギノバ退職代行運営事務局が執筆、編集しました。※公開日時点の法律に基づいて執筆しています。